2016年 第1号 Vol.175
 
 編集・構成 奥貫 晃

 
 発行人:今井 康了
 発行:日本特撮ファンクラブG
 

 はじめに

 
まずはじめに、4月に発生しました熊本大震災で被害に遭われた方に心よりお見舞い申し上げます。

 『シン・ゴジラ』公開や『ウルトラマンオーブ』放映開始と賑やかな夏ですが、もう1本、特撮怪獣映画が公開されています。エキストラ撮影に参加してきましたのでそのレポートをお届けします。

  『大怪獣モノ』 エキストラロケ体験記

  少しずつ暖かくなってきているもののまだ寒さが残る3月初旬のとある平日、埼玉県某所にて河崎実監督作品『大怪獣モノ』(撮影時点ではタイトル未公表)のエキストラ撮影が行われ、参加して参りました。撮影場所は埼玉県内の自然公園なのですが、「公園入口」となっているバス停が実際には入口から徒歩10数分かかる場所で、東京近郊とは言え随分遠い所に来てしまったといささか閉口してしまいました^_^;。それはともかく時間より早目に到着し、公園事務室で撮影について尋ねると既に撮影は始まっているとの事でした。小山のある広大な敷地内で少々道に迷ってしまいましたが、何やら「ナントカカントカ、カイジュー!」と大声が聞こえてきて、小山の中腹辺りにある道路が撮影場所だと判りました。ロケの情報を下さったKさんともう一人知人が参加していたので挨拶を交わし、漸く撮影に合流出来一安心です。

 撮影内容は怪獣出現に自衛隊が出動し怪獣を監視する一方で、環境保護団体が絡んできて「怪獣を殺すな!」と抗議するシーン。我々エキストラはその環境保護団体員の役で、先に聞こえてきた大声は「Save The KAIJYU!」と叫ぶ彼らのシュプレヒコールだった訳です。知人以外のエキストラ参加者は20代ぐらいの若い男女から地元の人かと思われる年配の層まで、少ないながらも幅広い年齢層でした。

 各々手にパネル等を持って撮影再開となりました。リーダー格の女性とサブリーダー格の外人が「私には大自然の使いであるあの怪獣の心の声が聞こえる」といった台詞を言いながら自衛隊員に詰め寄るというシチュエーションで、河崎監督の指示で後ろにいる我々はその言葉の一言一言に「うんうん、うんうん」と頷く芝居です。出演者は自衛隊員役10人弱ぐらいに環境保護団体員役が10数人といったところでしょうか。驚いたのはスタッフの少なさで、監督とキャメラマンに助監督他数人といったところでした。ロケなので照明は無し、助手と思われるスタッフは殆ど見当たりません。撮影機材も小型のものでしたが、中でも目を引いたのはスタッフが「クレーン」と呼んでいた機材です。クレーンといってもキャメラマンが乗れるようなものではなく、支柱に支えられた23m位の竿の先端にキャメラが取り付けてある(正式にどう呼ぶのか判りませんが)「簡易クレーン」という感じのもので、竿の角度を変えてキャメラを上下させても水平は保たれる作りになっており、それなりの撮影効果は得られるようです。完成画面ではどんな映像になっているか興味深いところです。

 続いて撮影するカットはリーダー格の女性が怪獣に近づいてゆくが怪獣によって…、というカットで、我々エキストラのリアクションの撮影でした。木の先端を怪獣の顔に見立て目線を合わせる、このジャンルではお馴染みと言える方法で撮影が行われました。23度のリハーサルの後本番で、この場所での撮影は終了となりました。

 続いての撮影が本来の集合時間の撮影で、山を下り、公園入口の広い場所で自衛隊監視の中、不穏な前兆を見せていた山麓で怪獣が動き出し見物に来ていた我々野次馬が一斉に逃げるというシーンです。エキストラの人数は見た感じ総勢4050人となりました。撮影に協力した地元役場の方からのお話があり記名して記念品(と言っても映画関連グッズではなく地元ゆるキャラのもの)をいただき撮影再開。公園入口道路から外側を臨むと正面に山が見え、その山を怪獣出現の前兆が起こっている場所に見立て、道には自衛隊員が監視の一方で我々野次馬が群がって携帯やスマホで撮影しているというシチュエーションです。更に現場には中井貴一のものまねそっくりタレント・きくりん氏がレポーター役で登場しました。このレポーター越しに我々野次馬がワイワイガヤガヤと怪獣を見ていると、やがて怪獣が動きだし我々は慌てて一斉に踵を返し逃げるという芝居です。レポーターの台詞には「数日前に山に入った人が行方不明になっている」といったものがあり、コメディタッチと思われる中にも緊迫感ある描写があるようです。撮影はアングルを変えてリハーサルと本番が何カットか撮影されました。『ゴジラ』シリーズ等、怪獣映画のエキストラは何度か参加しましたが、背後に迫る怪獣と逃げる人間達の合成カットという定番の構図となると意外とあまりありません。フレームに入っていると芝居した方がいいのか、驚くところではどの程度大袈裟に表情を出した方がいいのかが難しいところです。何はともあれこれでこの日の撮影は終了、解散となりました。およそ2時間半。晴天ではなかったものの雨に降られるような事はなく順調な撮影でした。翌々日には東映大泉撮影所で別なシーンのエキストラ撮影が行われ、こちらは有名特撮作品出演俳優の方々が参加されたようです。

  7月下旬公開予定のこの『大怪獣モノ』。『シン・ゴジラ』とほぼ同時期の公開になりましたが、タイトルは「怪獣もの」を捩ったとの事で何とも苦笑いしてしまいます。しかし考えてみれば本作の河崎実監督とと『シン・ゴジラ』の庵野秀明総監督は遡る事30数年、片や『大怪獣フウト』、『√ウルトラセブン・逃亡の果てに』『エスパレイザー』、片や『愛国戦隊大日本』、『DAICON版帰ってきたウルトラマン』とかつて自主製作特撮映画で鳴らした作り手でした。特に『√ウルトラセブン』と『DAICON版帰ってきたウルトラマン』は、ウルトラシリーズのエピソード1話分約30分を模した作品を8ミリフィルムで作ってしまうというアマチュアとしては破格の内容で、特撮ファンとしては憧れるものがありました。しかしスタイルは同じでも実は作風というか目指すものは当時からそれぞれ違っていたように思います。それが30数年を経て21世紀の現在、規模も作風も全く違うものの遂に同じ特撮怪獣映画の商業作品でぶつかる事になろうとは何という因縁でしょうか()。しかも今回は素顔の人間を巨大ヒーローに仕立てるという、意識したかどうか、おそらく意識していないと思いますが『DAICON版帰ってきた~』と同じ趣向の作品を河崎監督が撮る訳です。「くだらない」、「しょうもない」、「馬鹿馬鹿しい」と言われる河崎監督作品。私もそう思いますが、これらの言葉が誉め言葉に思えてしまうのは作品にひねくれたところが全くないからでしょう。今回もそんな作品に仕上がっている事を楽しみにしています。それにしても両作とも特撮研究所が絡んでいるとは特撮界の状況の変わり様を思い知らされます。

 『来たぞ!我らのウルトラマン』

 
今年はウルトラシリーズ放映開始50年であり、記念作の第1弾というべき本作は、『ウルトラマンX』テレビシリーズや『ギンガS』でも印象に残るエピソードを演出していた新世代の田口清隆監督初のウルトラ劇場作品となりましたが、ウルトラシリーズとして「普通に面白い」作品に仕上がっていたと思います。「普通に」と書きましたが、今回特筆したいのはテレビシリーズの基本フォーマットに忠実に乗っ取った内容だった事です。『ゼアス』以降20年にわたる新作ウルトラ劇場作品の中で、これは意外に少ないのです。特に近年は現役テレビシリーズがない時期だったり、物語世界の異なる複数のウルトラマンを共演させるといった事情からか、一作ごとに独自の舞台設定となる場合が目立ちました。そうした中で『8兄弟』や『サーガ』といった個人的にお気に入りの作品はあるものの、ウルトラマンに初めて接する子どもの観客には取っ付きにくい部分もあったと思われ、その辺りが観客動員が伸び悩んでいる一因になっていたと思います。それが今回はゲストを絡めつつあくまで基本は怪獣出現にテレビシリーズのレギュラーである防衛チームとウルトラマンが怪獣に立ち向かってやっつけるパターンで、前作に続き実に話に入って行きやすかったと思います。更に敵キャラクターが純然たる正統派怪獣で、これは劇場版ウルトラ作品では殆どなかったケースです。これまで主流だった侵略者や悪のウルトラマンといったヒューマノイド系、或いは彼等の尖兵怪獣も敵キャラとしていけない訳ではありませんが、そればかりでは他のヒーローとの違いが希薄になってしまう弊害があったと思うのです。また、メインのゲストヒーローは50周年の初代と20周年のティガに絞り、吉本多香美氏演じる玉城ツカサ博士親子がバラージを捩った名前の遺跡と関わるという、それぞれオリジナルに絡めた基本設定が心憎く、ハヤタやダイゴを出さない中で2大ヒーローの登場に説得力を持たせていました。初代とゴルザ、ティガとアントラーと、あえてオリジナルと組み合わせを入れ替えたバトルや、もう一人のゲストであるマイケル富岡演じるカルロス黒崎が、最初は嫌な奴と思いきや憎めないキャラクターだったのも好感が持てました。他の5体のウルトラマンは対戦相手が全部デマーガで、やや取って付けた感はありましたが、『X』テレビシリーズにゲスト出演したウルトラマンに限ったところは良しとしましょう。  

 劇場版前作の坂本浩一監督は「ヒーローもの」、「アクションもの」志向ですが、それに対し「怪獣もの」志向の田口監督の作風が良い形で出ていたと思います。田口監督の今後の活躍に期待したいです。

 封切り時期には各所でイベントが行われましたが、3月の連休に東京近郊の商業施設でファミリー向けのショーに行って来ました。会場はショッピングセンターのコンコース、出演は大空大地隊員役の高橋健介君、山瀬アスナ隊員役の坂ノ上茜さん、更に三日月マモル隊員役の原田隼人さんの飛び入りもありました。
 
内容はアスナ隊員のアクションを絡めたウルトラマン対星人のアトラクションに、子どもの客をステージに上げての質疑応答といったもので、実質的にアスナ隊員が主役と言っていいステージでした。大地役の高橋君はX、初代、ティガの揃い踏みに「凄いなX、新人なのにセンター取って」には「アイドルグループじゃない、ウルトラマンは昔からそうなんだよ」と突っ込みたくなってしまいましたが、アスナ隊員が最後には感極まって涙ぐんでしまう一幕があり、こういう一幕があるとこちらも来てよかったと思ってしまいます^_^;
 
 
それにしても子どもに好きなウルトラマンを訊くと「ゼロ」との答えが多く、これはやはり「喋る」というのが大きいのでしょうか。Xもそうした流れを汲んでおり、良い悪いは一概に言えませんがゼロがウルトラヒーローの"芸風"を変えたなと思います。

 何はともあれこうしたファミリー向けのイベントは、子どもとのやり取りで俳優さんの素が思わず出たりして、我々「大きなお友達」向けのトークショーとは違った面白さがあります。

  フュージョンアップ!『ウルトラマンオーブ』

  劇場版のラストから、次回のテレビシリーズは『X』第2シーズンかと思っていたのですが、新シリーズは『ウルトラマンオーブ』の登場となりました。しかも今回は『列伝』内番組ではなく新番組枠です。土曜朝9時と言えばかつては東宝『超星神』シリーズ枠でしたが『セイザーX』終了から丸10()、『メビウス』以来のウルトラシリーズ完全新作枠が来ようとは思いませんでした。

 今回の設定は主人公が防衛チームに属さない風来坊で、メインとなるチームは私設の調査グループ、防衛チームはメインではないが柳沢慎吾氏演じる渋沢隊員が接点となっている等、ひねった設定となっています。過去の円谷作品から強いて例を挙げるなら、私設チームは『10-410-10』の毛利チーム、渋沢隊員のポジションは『怪奇大作戦』の町田警部といったところでしょうか。主人公・クレナイガイは宇宙人の人間体との設定ですが、セブン、レオ、80、メビウスとこれまでこのパターンの作品が来るとテレビシリーズはブランクに入ってしまうジンクスがあるのは気になります。

  歴代ウルトラマンのエネルギーを得てタイプチェンジする設定ですが、妙に印象に残ってしまうのは「ウルトラマンさん」、「ティガさん」といちいち「さん付け」な事でしょう。ウルトラの母以外に敬語を使った事がないゼロよりはマシではありますが。

 毎回台詞の中に過去のウルトラシリーズのサブタイトルを入れるそうですが、サブタイトル引用パロディは河崎実監督の『侵略!ガルパンダZ』でもやってましたね。最終回は長ったらしいサブタイトルの最後のフレーズ「パンダもイカも氷になった」には大爆笑してしまいました。

 第1話を観てどうかと思ったのはビルをも破壊するような竜巻により災害が起きていながらSSPのメンバー、特にジェッタがスクープだとやたらはしゃいでいた事です。劇中では直接人が死ぬような描写がないだけに、人命に関わる状況である事はセリフ一言でいいから強調すべきだと思います。民間のチームなので資金繰りが苦しく、スクープを取って一攫千金と思いきや結局失敗というシチュエーション自体は悪くなく、ウルトラ世界にこうした『俺たちは天使だ!』的な要素を上手く盛り込む事が出来ればかなり斬新だと思います。しかしそれにはやはり彼らが心根の優しい人物に描かれてこそでしょう。

 それと冒頭の光の巨人とゼットンの闘い何を意味しているのか?設定によるとヒロインのナオミは「幼少時より光の巨人の夢を見る」とあったので、その夢のシーンだと思っていたのですが、主人公が過去に闘いに少女を巻き込み死なせてしまったという事らしいです。しかし特にそういう事が伝わらず意味不明のシーンとなってしまいました。同様の設定は『ネクサス』でもありましたが、今回は全体的にコミカルタッチの中、主人公が重い過去を背負っているとすれば、シリーズの縦糸として今後どう活かされていくか、扱いようによってはかなりドラマチックな展開になりうるので、今後の展開を見守ってゆきたいところです。

 気になる部分はあるものの、久々の新番組枠であり、様々な試みがあるようなので、ウルトラシリーズの新境地を切り開く、楽しみな番組になって欲しいものです。

 訃報

 富田勲さん

 シンセサイザーの分野での功績も去る事ながら特撮関係では『マイティジャック』、『恐怖劇場アンバランス』、『キャプテンウルトラ』、『ノストラダムスの大予言』と、作品数としては多くはないものの、どれも強烈な印象を残す楽曲を書かれた事は言うまでもないでしょう。アニメーションでは『ジャングル大帝』、『リボンの騎士』。一般向けテレビ作品ではNHK大河ドラマの他、『新日本紀行』、『今日の料理』と耳に馴染んでいる方も多いのではないでしょうか。最近TVKで再放送があった『座頭市物語』他、時代劇も多く、映像音楽では非常に多岐に渡る作品を残されています。

 前述の『マイティジャック』、『キャプテンウルトラ』の高揚感、『アンバランス』、『ノストラダムス』の恐怖感をはじめ、様々な感情を表した楽曲の数々はどれも心の奥底に容赦なく響いてくるものがありました。 慎んでご冥福をお祈り申し上げます。

  特撮関連書籍
 
 
昨年暮れより発行された特撮関連書籍。『ゴジラVSビオランテパーフェクション』は公開当時、東宝出版部から単独本「SF特撮シリーズ」が発行されなかったリベンジでもあるそうですが、川北特技監督、田中好子さんらここ何年かの間にスタッフ、キャストの何人かが鬼籍に入られてしまったのは非常に残念です。しかし公開から26年、当時の助手クラスに至るまでの関係者のインタビューには、今だからこそ見えてくる事、判る事があるものだと実感させられました。

 他に、『ゴジラ』第一作より特撮の世界に入り、現在も現役で活躍されている飯塚貞雄さんのこれまでの仕事を追った『光線を描き続けた男 飯塚定雄』、スタッフ名鑑が圧巻の『仮面ライダー怪人大画報2016』、子ども向けに自主製作怪獣映画の講座が素晴らしい『ウルトラマンX超全集』と、相変わらずの充実ぶりでした。

  そうした中でも異彩を放っているのが『アニメプロデューサー 鷺巣政安』。『サザエさん』はじめエイケンのプロデューサー、コーディネーターとしてご活躍されてきた鷺巣政安さんの足跡をたどる内容です。ご存知の方も多いと思いますが、苗字から判る通り鷺巣さんの実兄はピープロ社長・鷺巣富雄さんで、本書のインタビュー、構成はやはり同氏のロングインタビュー本『スペクトルマン対ライオン丸』('99年刊)を手掛けた但馬オサム氏です。

 アニメーションの話題が大半と思いきや、ここで紹介したのは鷺巣さんと関わりのあった人物に円谷一さん、古谷敏さんといったお名前が出てきた事です。意外ではありましたが、プロデューサーという職種は我々の想像以上に顔が広いものです(兄の富雄さんも『スペクトルマン』では松竹からミニチュアを借り東宝から特撮フィルムを借り東映まんがまつりで劇場公開、スタッフは大映、日活、新東宝出身という事から察しても映画界だけで大変な人脈があった様ですが)。古谷さんとの接点は'70年にアニメ版が製作された『のらくろ』ショーを古谷さんの興したビンプロモーション(本文中の表記は「敏プロ」)が手掛けたのがきっかけだったそうで、これまであまり知られていなかったビンプロの興亡についてのお話が興味深いものがありました。

 現在では『サザエさん』に代表されるファミリー一般向けのイメージが強いせいか、老舗アニメ製作会社の中でもこれまで裏側が語られる機会が少なかったエイケン作品ですが、前身のTCJ動画センター時代から大人向けの『仙人部落』や劇画タッチの『サスケ』、『カムイ外伝』等、時代の先をゆく作品を作ってきた実績もあり、テレビアニメと言うより日本の映像文化の一端を語る上でも貴重な一冊だと思います。

 メイキング系の本は以前にも増して掘り下げた内容のものが出ていますが、それだけアナログ特撮の技術が今後失われてゆくのではという危機感が高まっている現れではないかと思わされます。7月にはそうしたメイキング系の決定版とも言える『日本特撮技術大全』が学研より発売されます。私は一部キャプション(操演、照明)を担当させていただきました。高額(\6800+)ではありますがお手に取っていただければ幸いです。

  おわりに

 いよいよ今週末に『シン・ゴジラ』の公開となりました。前売りの売れ行きは好調だそうですが、今回は具体的な内容が公表されていないせいか雑誌等の記事がかなり少ないのが意外です。「キネマ旬報」は表紙を飾っているものの記事そのものは少なく、「宇宙船」に至っては表紙と巻頭に『仮面ライダーゴースト』に多くのページが割かれ『シン~』関連は樋口真嗣監督インタビューを中心に数ページの少なさで、公開直前ならば大々的に記事を組んでいた以前ならば考えられない事でしょう(こっちも『大怪獣モノ』にかなり字数を割いていますが)

 予告映像や、樋口監督のインタビューを読んだ限りではかなり本気で取り組んでいるようです。ストーリーが公表されておらず、一般向けの試写会もないようで、更には6月時点でまだ完成していないとの情報があり、いずれにせよ具体的な内容については極力伏せており、現時点では何とも言えないところです。チラシ裏面は全キャストとスタッフのみが記載されており、キャストはかなり豪華な顔触れですが、メインの数人以外は『ガメラ3』のように殆どカメオ出演ではないかと思われます。かつて「宇宙船」の投稿欄で「こんなゴジラ映画が観たい」というコーナーがあり、中でも「本編の殆どがモブシーン」というのが印象に残っているのですが、実際にこういう方向に徹した内容だったらそれはそれで面白いかも知れません。スタッフ関係では音響効果が庵野秀明作品に多く関わってきた野口透氏で、かつての東宝効果音が使用されそうなのが楽しみではあります。

 劇場映画、テレビ共にいつになく注目度の高い新作が並ぶ今夏、「熱い夏」になるか楽しみではあります。お互い身体には気をつけていきましょう。