2020年 第1号 Vol.183
 
 編集・構成 奥貫 晃

 
 発行人:今井 康了
 発行:日本特撮ファンクラブG
 

  はじめに

 
いよいよケムール人でお馴染み(?)の2020年、令和2年初のG会報となります。本年もよろしくお願いいたします。
 本年の『緯度G大作戦』の開催が2020年6月28日(日曜)、会場は前回と同じ蒲田アプリコ小ホールに決まりました。半年近く先で、お待たせしてしまいますがどうかご期待下さい。

  さようなら、矢島信男さん

 11月28日、老衰のため御逝去。享年91歳。

 '49年松竹入社、特殊技術課で川上景司氏につき、『君の名は』、『忘れ得ぬ慕情』等撮影を経て東映と契約され、劇場映画、テレビ作品の特撮を数多く担当。'65年には松竹時代の先輩と㈱特撮研究所を設立され、CM等東映以外の作品にも関わられ、同社は東映社内の特技課解散後には東映特撮の中心的存在として活動されてきた事はご存知かと思います。'70年代の第2次怪獣・変身ブーム時にはピープロ、円谷プロで特撮監督を担当され、他にも韓国作品やCM、松竹『夜叉が池』、木馬座製作、日本特撮映画協力『ケロヨンの自動車大レース』と、幅広く手掛けられ、日本特撮界の発展に大きく貢献されました。

 子ども心に、東映でも円谷でもお名前が出ているのが印象に残っていましたが、『宇宙からのメッセージ』公開当時出版された『宇宙からのメッセージ 特撮の秘密』に竹内博さんにより経歴が書かれており、特撮監督の経歴について詳しく知ったのはこれが初めてだったのを覚えています。それまで監督や特撮監督の名前は知っていても、それぞれどんな撮り方なのかよく判らなかったのですが、意識して観ていくと監督によってはっきり癖がある事を理解したのが矢島監督の作品でした。

 円谷プロに招かれ『ミラーマン』を監督された際に、円谷系の監督に比べ効率の良い撮り方をされるので重用されたそうです。『緯度G大作戦2012』トークショーで、佐川和夫監督(『バトルフィーバーJ』、『デンジマン』等で特撮監督を共同で担当)によると、「お金の折衝に関して、東映でこの人に勝てる人はいないんじゃないか」との事でした。また、円谷プロやピープロで仕事を共にしたスタッフをブーム終焉後東映に招き、この人脈が『宇宙からのメッセージ』で結実し、その後の東映特撮の躍進に繋がってゆきました。更に仕事上接点はない(と思われる)コダイグループ発足パーティーに出席されていた等、大変顔が広かったようです。東映特撮のイメージが強いですが円谷家との縁について'85年頃『日東新聞』のインタビューでは『君の名は』で英二氏と、『ミラーマン』で一氏と、『宇宙刑事シャイダー』で浩氏と、三代に渡って仕事を共にしてきたお話も印象に残っています。こうした人脈の広さや交渉事といった撮影現場だけにとどまらないところでの尽力が、東宝や円谷で新作が途絶えがちだった時期に、東映が毎年TVヒーロー作品を中心に新作特撮作品を作り続けてこられた原動力の一つになっていたように思います。

 平成に入って一線を退かれましたが、特撮研究所の後進である佛田洋氏、三池敏夫氏、尾上克郎氏が今や特撮業界の第一人者として『ローレライ』、『日本沈没』('06)、『シン・ゴジラ』等庵野秀明、樋口真嗣監督作品、『ギララの逆襲』、『アウターマン』等、河崎実監督作品、NHK大河ドラマ『いだてん』等各社で幅広く活躍されています。

 これだけの作品と人を残された矢島監督は、天寿を全うされたと思います。
慎んでご冥福をお祈り申し上げます。

  さようなら、上原正三さん

 1月2日、肝臓癌のため御逝去。享年82歳。
 Gのイベントでは『緯度G大作戦』('92、'93)ならびに、G創立20周年記念パーティーにゲストで来ていただき、感謝に堪えません。

 金城哲夫氏と同じく沖縄出身の縁から円谷プロに入社され、『ウルトラQ』で脚本家デビュー。『ウルトラセブン』、『怪奇大作戦』で次第に頭角を現し、ウルトラシリーズ再開第1作となった『帰ってきたウルトラマン』でメインライターを務められ、第1話をはじめ代表的エピソードから問題作まで執筆され、第1期とは違ったヒーロー像、第2期ウルトラシリーズの作風の確立に貢献されました。
 フリーとなった'60年代末から'80年代にかけて東映、宣弘社(日本現代企画)、ピープロ等各社で特撮ヒーロー作品を中心にロボットアニメ、スポーツ根性ドラマ等、子ども向け30分ドラマを数多く執筆されてこられた事は最早説明不要でしょう。とりわけ『秘密戦隊ゴレンジャー』から始まった戦隊シリーズ、『宇宙刑事』シリーズに始まるメタルヒーローシリーズを経て、『仮面ライダーBLACK』まで、およそ12年に渡る東映・吉川進プロデューサーとの中大出身コンビによる一連の作品は、東映ならびに国産テレビヒーローの歴史に大きな足跡を残したと思います。思えば私のような'60年代前~中期生まれの特撮ファンは幼少時から社会に出る20代に至るまで、「脚本 上原正三」とクレジットされた作品にずっと接してきた事になる訳です。製作会社や巨大ヒーロー、等身大ヒーローの違いはあっても、上原さんの脚本は随所に共通項が見られる事があり、脚本家の存在を意識するようになったお一人でした。

 脚本家になられたきっかけが戦争と、戦後アメリカ占領下にあった沖縄での体験であり、娯楽の王道を行く作風の中、こうした体験が底に流れている事はよく知られていますが、上原さんが作品に込めてきた思いがどうかこれからの世の中に受け継がれてゆく事を願ってやみません。

 慎んでご冥福をお祈り申し上げます。

  2019秋冬特撮イベント(前編)

 11月から12月にかけて都内近県で様々なイベントが行われました。私もいくつか行って参りましたのでレポートをお届けします。

・『熱海怪獣映画祭』(11月22~24日、熱海国際観光専門学校他)
 昨年10月に続き第2回となった今回は、連休にまたがる3日間の開催となりました。2日目の11月23日昼、生憎の小雨の中会場に到着し、まず最初に観たプログラムは『ガメラ4』の林家しん平監督『深海獣雷牙対溶岩獣王牙』でした。何作か続いているシリーズのようですが、冒頭の戦艦大和と怪獣が闘うくだりや、浅草や熱海に防衛隊が設置されているいかにも自主製作映画らしい設定はユニークだったものの、全体的にダラダラした展開で、何よりどっちが雷牙でどっちが王牙か観ていてよく判らないのはキツいものがありました。出演者の殆どが落語家で、おそらくこの人も出そうあの人も出そう、こういうシーンも入れようああいうシーンも入れようと、様々な要素を取り込もうとした結果ではないかと思いましたが、もし自分が映画を撮るとこういう失敗をやらかしてしまうのではという怖さも感じさせられました。
 
 続いては田口清隆監督主催『全国自主怪獣映画選手権 熱海傑作選』。同選手権は'14年より各地の映画祭で既に14回に渡って開催されており、今回は田口監督自身の作品2本を含めた傑作選6本が上映され、これがなかなか粒揃いでした。10代の3人兄弟が撮った『機械忍者』('18年、15分)は、着ぐるみはアマチュアっぽさがあるものの、殺陣と編集が10代とは思えない完成度の高さで驚かされました。『無明長夜の首なしの怪獣』('18年、30分)は、表題の怪獣を巡って元自衛官と宇宙人と幽霊がアパートの一室で語り合うシーンが大半を占めるという、ともすれば退屈になりかねない内容なところが、全く退屈しない展開で、最後の思わぬどんでん返しが衝撃的な作品でした。監督は武蔵野美大の学生で推理小説好きなのだそうで、そうした趣向が上手く出ている作品だと思いました。因みに武蔵野美大は巨大ヒーロー『ビビッドマン』シリーズを近年4作製作しており、建物のミニチュアのストックがかなりあるそうです。アマチュア作品ではこの2作品が特に印象に残りました。


 田口清隆監督作品は『女兵器701(じょへいきせぶんおーわん)』('17年、5分)、『UNFIX』('18年、20分)。『女兵器~』は自衛隊の女性型巨大ロボット(?)が怪獣と交戦中に半壊させてしまったラブホテルに居たのが、ロボットを操縦するヒロインの彼氏と親友だったという一発ネタの作品。ブルーレイに収録されていたメイキング(本編よりずっと長い25分)によると、舞台となる市街地のオープンセットは漁港の一角を使用し、建物のかなり豊富なミニチュアは先の武蔵野美大のストックを使用、ラブホテルは撮影に借りるのが難しいのでミニチュアで作り、そこに人物を合成したそうで、デジタル合成だとここまで出来るのかと感心しました。また、出演者が近年のウルトラシリーズでレギュラーを務めた青柳尊哉氏、百川晴香氏と馴染みのあるプロの俳優だと安心感があります。
 『UNFIX』は自衛隊内に設置された架空の対宇宙人部隊の日常をドキュメンタリータッチで追った、田口監督が『ウルトラマンX』でも手掛けた得意の題材。YouTubeで配信中との事です。田口監督はプロになってからも自主製作映画を作っており、映像作りへの貪欲さを実感させられました。いつの日かゴジラ映画の監督をと思います。

 自主製作映画を観るのは久しぶりでしたが、完成度もさる事ながら(応募作にはピンからキリまであったそうで、今回出した作品はピンの方だそうですが)、どの作品も作り手が楽しんで作っている印象なのが好感が持てました。参加者の中からプロ入りしている方もおり、こうした処から次代を担う作り手が出てくるかと思うと、今後も続いていって欲しいものです。

 夕方からは会場を近くの演芸場に移して、井上誠さんによる『ゴジラ伝説 熱海絶対防衛ライブ』。スキンヘッドのダンサー・清水くるみさんの踊りが華を添えていました。そして何よりお馴染みの楽曲の間に挟まれる井上さんの語りが、子どもの観客に語りかける内容なのが良かったです。

 ライヴ終了後はレストハウスにて交流会となりました。地元の人や私のように東京から来た人もいましたが、親子で参加されている方がおり、中学生のご子息がハマッているのが『怪獣マリンコング』と『柔道一直線』(!)だそうで、現在は映像ソフトやインターネットでは古い作品でもかなり自由に観られるようになったものだと思いました。

 2日目は今回が初上映となる『狭霧の國』の上映から入場。監督は造形技師で『ゴジラ』、『ウルトラ』シリーズに関わった後、取材記者として『ゴジラKOM』マイケル・ドハティ監督のインタビューを担当された佐藤大介さんです。スタッフは造形に村瀬継蔵さん、背景に島倉二千六さんと大ベテランが参加されています。9月に村瀬さんの地元である瑞穂町で村瀬さんの手掛けた東宝作品を中心とした展示があり、本作に登場する怪獣「ネブラ」が展示されていたのですが、30万円程の費用で製作されたとの事でした。内容は、明治時代後期の九州を舞台に、盲目の少女と彼女を取り巻く人々の様々な思惑によって、湖底に潜む怪獣「ネブラ」が暴れだすというもの。CGは使わず、人物はパペットを使った人形劇で、当然ドラマ部分のセットもミニチュアにする事で、明治後期の九州地方という、通常なら難しい舞台設定の再現に成功しており、低予算等の条件はあっても色々とやりようはあるんだなと思いました。因みにクライマックスでネブラが街に現れるくだりは監督の遊びで『ゴジラVSビオランテ』大阪襲撃シーンと同じカット割りにしたそうです。
 午後、いよいよこのイベントのラストを飾るプログラムは熱海が舞台となる『ウルトラマン』第11話「宇宙から来た暴れん坊」と、『キングコング対ゴジラ』4K修復版(上映は2K)です。『ゴジラ伝説』のライナーで井上誠さんが、『キングコング対ゴジラ』封切り時に熱海城の真下にある映画館で鑑賞されたというエピソードが非常に印象に残っており、今回このイベントに参加したのもこの体験をしてみたいからでした。何度も観ている両作ですが、上映中に熱海の街が映し出されると客席から一斉に拍手が沸き上がり、これはやはり家のテレビでの鑑賞では味わえない高揚感です。こうしてイベントは無事終了、会場を出て熱海城(実際は真下という程の近距離ではありませんが)を見上げた事は言うまでもありません。 『熱海怪獣映画祭』、第3回の開催が決まったそうで、今度は何をやるかが気になります。静岡県が舞台となるとかなり作品がありそうですが、いっそラストは毎回『キングコング対ゴジラ』でも良いんじゃないかと思いました。

・『小松左京音楽祭』
 (11月30日、成城学園 澤柳記念ホール)
 小松左京音楽祭実行委員会主催、スリーシェルズ共催、オーケストラ・トリプティーク演奏による本イベントは、樋口真嗣監督入魂の企画とあってか、特撮ファンのみならず映像業界関係者の方々がいつになく大勢来られているのにまず驚かされました。

 開演前後に会場に置かれているピアノが、東宝撮影所の録音スタジオで使われてきた由緒あるものである事や、小松左京氏がビオラで『炭鉱節』をよく演奏されていたというエピソードが披露され、続いて演奏開始となりました。
 冨田勲作曲『宇宙人ピピ』に始まり、『日本沈没』('73年版)、『エスパイ』、杉田二郎氏の生歌も含めた『さよならジュピター』といった、サントラで耳に馴染んだ楽曲に続いて、圧巻は未サントラ化であるテレビ版『日本沈没』、'73年10月から半年に渡りニッポン放送で放送されたラジオ版『日本沈没』(毎日放送製作)の楽曲演奏でした。広瀬健次郎氏によるテレビ版のBGMは主題歌のバリエーションは当然として、人物描写の楽曲もオリジナルと思われますが、パニック、サスペンス系のシーンでした使用されていた楽曲は『今日もわれ大空にあり』、『愛のきずな』等の広瀬氏が担当された東宝作品からの使用が多く、スコアは本編を視聴しながら採譜する所謂耳コピで、担当者のご苦労がしのばれます。ラジオ版の音楽は『サスケ』、『妖怪人間ベム』の田中正史氏の担当で、放送当時の録音も一部再生されました。声の出演が小野寺役に江守徹氏、玲子役に大地喜和子氏、田所博士役に加藤武氏ほか文学座の俳優諸氏で、かなりの豪華キャストだったとは知りませんでした。内容については殆ど記憶がありませんでしたが、本作がきっかけで『欽ドン』等のラジオ番組を聴くようになった事や、スポンサーの一つが日本鋼管で、同社の存在を知った事が思い出されました。さいとうたかお氏によるコミカライズ版も知られており、あらゆるメディアで発表されていた『日本沈没』が、当時いかに社会現象となっていたかでしょう。
 そして更に、スペシャルゲストであるTV版『日本沈没』主題歌でお馴染みの五木ひろし氏が登壇となりました。歌だけかと思いきや、当日はこのコンサートの前にご子息の友人の結婚式に呼ばれており、歌った後中座する予定が司会者のスピーチが長く、ヒヤヒヤさせられたとのお話にまず客席一同笑ってしまいました。編曲を担当されたボブ佐久間氏とは同年代で下積み時代に同じクラブで働いており、ヴォーカルとピアノを交代で担当されていたそうです。いつも閉店後に残り物で作った食事「バンドライス」を一緒に食べていた事や、そうした下積み時代を経て本作でお互い歌手と編曲家として仕事を共に出来た事を感慨深く思われたとのエピソードが印象に残りました。最初に笑いを取って、次第に心に染みるエピソードを語る、一流の歌手は歌だけでなく、我々観客の心を掴むトークが上手いものです。主題歌『明日の愛』、劇中歌『小鳥』に続き、この2曲を今度は五木ひろし氏と観客みんなで唄うという、(特に『小鳥』は悲劇的クライマックスでの使用が強烈なだけに)感涙のフィナーレとなり、何とも濃密な2時間30分でした。

 会場の展示物も、宣材や関連商品、雑誌記事に青焼きのコンテ用紙から樋口真嗣監督所蔵のTV放送をエアチェックしたカセットテープや映画鑑賞直後の落書きに至るかなり貴重なもので、正に至れり尽くせりの感がありました。これまで様々な特撮関連のイベントに参加してきましたが、今回はそうしたなかでも屈指とさえ思える充実ぶりだったと思います。 

 日を改めて、世田谷文学館で開催の『小松左京展ーD計画ー』に行って参りました。特撮ファンとして気になったのは『日本沈没』のリメイク版が'96年頃に東宝で企画されていた事で、少し後の'98年頃に松竹製作、大森一樹監督で企画されていた事は知られていましたが、これは知りませんでした。企画は『さよならジュピター』、'84『ゴジラ』監督の橋本幸治氏、'96『モスラ』プロデューサーの北山裕章氏の連名。イメージキャストは小野寺役に真田広之、中井貴一、緒方直人各氏、玲子役に宮沢りえ、後藤久美子ほか各氏、田所役に柄本明、ビートたけし、勝新太郎各氏と、'90年代ならこのキャスティングだろうという面々が挙がっている一方、監督候補には澤井信一郎、伊藤俊也、崔洋一各氏ほか、東映系の監督の名前が何人か挙がっているのが興味深く思いました。もし実現していたら果たしてどんな作品になっていたか、スタッフ、キャストの名前を見ると気になってしまいます。そういえばこれは余談ですが、『ゴジラ2000ミレニアム』当時行われたトークショーで、客席から「『日本沈没』はどうなっているんですか?」との質問が出て、富山Pが困惑する一幕がありました。大森一樹監督と言えば『ゴジラVS』シリーズの印象が強かったので、東宝でリメイクと勘違いしてしまう人がいてもおかしくないですが。
 
 2019秋冬イベントレポート・前編はここまで、「(芥川隆行の声で)後は次回の講釈で」という事で、よろしくお願いします。

   いろいろあるよ、いろいろね

・'90年代より雑誌『映画秘宝』をはじめ、特撮関係では『研究読本』シリーズや『特撮秘宝』等を発行し、昨年も『メカゴジラ鋼鉄図鑑』、『平成大特撮』と非常に濃い内容の特撮、映像関係ムックを発売してきた洋泉社が1月末をもって親会社である宝島社に吸合併され事実上解散となってしまいました。個人的に、『円谷プロSFドラマ大図鑑』で商業誌に初めて原稿を書かせていただいた出版社であるだけに非常に残念です。本が売れないと言われて久しいですが、『映画秘宝』の売り上げ自体は決して悪くなかったという話もあり、諸々の事情があるようです。いずれにせよこれで洋泉社より発売されてきたあれだけの出版物が店頭在庫のみとなってしまう事に加え、フリー契約の編集スタッフが失業してしまう事が大変気になります。他の出版社が『映画秘宝』スタッフで同誌の精神を受け継ぐ雑誌や本を出せないものか、願うばかりです。

・『ひみつ×戦士ファントミラージュ』が劇場映画化並びに4月以降の番組継続との事で、シリーズ4年目となりました。このシリーズは観てはいない(録画はしている)のですが、テレビ特撮の歴史を考えると4年目突入は快挙と言って良いでしょう。テレ朝・東映製作以外の特撮番組で3年以上続いた枠(時間変更も含め)と言えば、'60~'70年代にかけての2度にわたる怪獣ブーム時でさえ、第1期ウルトラシリーズを含むタケダアワー、第2期ウルトラシリーズ、第1期『仮面ライダー』シリーズ(キー局はMBS、後枠『ゴレンジャー』以降はNET)、『宇宙猿人ゴリ』から『電人ザボーガー』までのピープロ枠ぐらい。'80年代はフジテレビ・東映の『不思議コメディ』シリーズに『スケバン刑事』から『花のあすか組!』までの少女アクションシリーズ、'90年代は『ティガ』から3年続いた平成ウルトラシリーズ、'00年以降では実写『セーラームーン』から『ネクサス』に始まるCBCウルトラシリーズ、MXのL4製作『烈風』、『妖ばなし』、『鎧勇騎月兎』(再放送込み)ぐらい(?)。テレ東のウルトラ枠は半年は再放送、『超星神』シリーズは惜しくも2年9か月、『リュウケンドー』1年、『レスキュー』2部作2年という事を考えると、新規の特撮シリーズを3年以上継続する事がいかに至難の技かという事を思い知らされます。それが今回はしかも、女児向け特撮番組という新しいジャンル(実写『セーラームーン』という格好の題材でさえ果たせなかった)を定着させた事でも意義は大きいと思います。影ながらシリーズの健闘を祈ります。

 今回もお待たせしてしまいました。気が付いたらG会報担当になって丸20年となりました。初の担当号では『ウルトラマンガイア』終了、『ゴジラ2000ミレニアム』公開、『仮面ライダークウガ』スタートを取り上げていた事が思い出されます。これらの作品がもう20年!Gが来年40周年なので、ようやくGの歴史の半分まで辿り着いたかという思いもあります。元気な内は続けていけたらと思っています。今後とも宜しくお願いします。